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連載企画

脇役なんて呼ばせない! 第6回
ミゾゴイ(野毛山動物園)

2016年2月24日

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名称
ミゾゴイ
生息地
日本、東南アジアの一部
サイズ
体長約30~40cm、体重約450~500g
エサ
野生下:ミミズ、サワガニ、両生類、昆虫 など
野毛山動物園:馬肉、オキアミ、ミミズ など
保全状況
IUCNレッドリスト EN(絶滅危惧)




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「こっちの足が悪いんです」
野毛山動物園でも全部で3羽のミゾゴイが暮らしているが、そのうちの1羽、「ミゾタロウ」だけが展示場で姿を見せてくれている。
ミゾタロウも右足を負傷して2011年11月に保護された個体で、今でも足を引きずるようにして歩いている。彼は保護されたときに幼鳥だったことから現在4歳と推定されるが、そこは謎多きミゾゴイ。何年くらい生きるトリなのかもハッキリしていないそうだ。

貴重なトリとなると繁殖を期待したいところだが、野毛山動物園ではスペースの関係でまず不可能。繁殖は、同じ横浜市の施設である「横浜市繁殖センター」が担っている。こちらでは、2015年6月に全国初の飼育下繁殖に成功している。

となると、ミゾタロウに与えられた任務は、ミゾゴイというトリがピンチに陥っていることを来園者に知ってもらうこと。つまりは、宣伝部長だ。
しかし、いかんせん忍者のようなトリ。見た目がきらびやかなわけでも、美しい声で鳴くわけでもなく、なかなか苦戦を強いられている。

注目ポイントは、前半にも出てきた細くなる擬態シーン。
飼育員がケージに入るなど、ちょっとしたきっかけで普段のコロッとした姿とはまるで違う格好に変身する。「今、オレは木なんだ」とやる様子は結構キュートだ。
ただ、展示場では擬態しても意味がないと悟っているようで、すぐにバサバサと枝の上に移動するので、そこまでセットで観察するといい。

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普段はこんな感じだけど…… ピンチになると、ギュンっ!

あまり動き回るトリではないが、開園直後は割と活動的。
彼の趣味なのか、ミゾゴイの習性なのか、担当飼育員にも分からないそうだが、ミゾタロウは木の枝をくわえたり、それを水の中に落としたりするらしい。あまり動かない彼がそそくさと小枝を拾っていたら、そんなシーンに出会えるかもしれない。

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最後はカッコイイ感じで一枚
ある調査によれば、野生のミゾゴイは1000羽も残っていないそうだ。
ただ、なにしろ “ 忍者 ” なので、正確な数字はこれまた謎。それでも、彼らが絶滅の危機に瀕していることは間違いがない。
日本の里山の、それも人里近くでも暮らすという意外と身近なトリ、ミゾゴイ。彼らを守っていくためにも、まずはミゾタロウに会ってミゾゴイのことを知ってもらいたい。木の枝に化ける姿に出会えたら、もう脇役などとは呼んではいられない。


(取材協力:野毛山動物園 飼育展示係 橋本雅子さん)



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