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連載企画

脇役なんて呼ばせない! 第6回
ミゾゴイ(野毛山動物園)

2016年2月24日

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名称
ミゾゴイ
生息地
日本、東南アジアの一部
サイズ
体長約30~40cm、体重約450~500g
エサ
野生下:ミミズ、サワガニ、両生類、昆虫 など
野毛山動物園:馬肉、オキアミ、ミミズ など
保全状況
IUCNレッドリスト EN(絶滅危惧)

最近のマンガやアニメに出てくる忍者は、やたらと派手な髪形だったり、明るい色の服を着ている。まぁ、演出上仕方ないのかもしれないけれど、本当の忍者は目立ってはダメだからもっと地味だったんじゃないだろうか。ちょうどこのミゾゴイのように。

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確かに地味。でも、外敵に見つかりにくいカラーリング
4月ごろに日本に渡ってきて繁殖をした後、東アジアや沖縄に移って冬を越すこの鳥は、サギの仲間。でも、田んぼや川といった開けた場所ではなく、沢や小川のある里山の中で単独で暮らしている。
羽の色は茶色で、動物園で人気者になるのには不利だが、木や土と同系色だ。危険を感じると、首を伸ばして体を細くして木の枝に化けるという “ 忍法 ” を使う。木の上なんかでこれをやると、素人にはそうそう見つけられない。

いわゆるシラサギ(本当はシラサギという種はいない)やアオサギのように大きくなく、体つきはゴイサギに似ている。一説には、水路のような “ 溝 ” に住む “ ゴイサギ ” に似たトリということから「ミゾゴイ」の名前が付けられたとも言われている。

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羽をバタつかせるミゾゴイ
英名も Japanese Night Heron で、ゴイサギを指す Night Heron が含まれている。ただし、ゴイサギは名前の通り夜行性だが、ミゾゴイは昼間に活動するトリだ。これは、繁殖期限定で聞かれる夜間のさえずりが元になった誤解から付けられた名前なのだ。なにしろ、忍者よろしく、ひっそりと森の中で暮らしているため、今でも生態には謎が多いというわけだ。

そんなミゾゴイたちは、日本の広葉樹林が針葉樹林に変わったことや、冬を過ごす東南アジアの森林が減少したことなどから数を減らし、現在では絶滅危惧種に指定されてしまっている。

希少種であるこのトリを見られる動物園は少なく、野毛山動物園のほかは宮崎市フェニックス自然動物園だけ。ケガをして保護されたミゾゴイを飼育している施設はもう少しあるそうだが、展示はあまりされていない。



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