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連載企画

脇役なんて呼ばせない! 第5回
ケープハイラックス(ズーラシア)

2015年11月4日

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名称
ケープハイラックス
生息地
アフリカ中部、南部
サイズ
体長約40~50cm、体重約2.5~5kg
エサ
野生下:草、果実、花など
ズーラシア:サツマイモ、ニンジン、小松菜、リンゴ、木の葉など
保全状況
IUCNレッドリスト LC(軽度懸念)

ゾウの親戚はゾウの親戚でも、ネズミみたいなゾウの親戚な~んだ?
なぞなぞっぽく書いてみたが、なぞなぞというより、これはもう単なる謎に近い。
もうちょっとヒントを出すと、上の臼歯はサイに似ていて、下の臼歯はカバみたい。骨格はサイに似ていて、消化器官はウマに似ている。で、ネズミに似たゾウの親戚。これは迷宮入りだ。

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こちらがケープハイラックス。正面は常にドヤ顔
でも、そんなヘンテコリンな動物が実在している。ケープハイラックスがその不思議動物の正体だ。
写真を見れば分かる通り、やはり見た目は大きめのネズミ。耳の短いウサギにも見えるが、どちらも生物としては近いわけではない。
ズーラシアの「アフリカのサバンナ」ゾーンで初めて彼らに遭遇したお客さんは、「ネズミだね」と言って去るか、案内板のイワダヌキ目というのを見て「タヌキか」と言って去るか、もう1枚の案内板に気付き「え、ゾウの近縁なの!?」と驚くかのどれかだ。

イワダヌキというのはハイラックスの別名で、要するに「イワダヌキ目イワダヌキ科」というのは「ハイラックス目ハイラックス科」と同じ意味だ。
ハイラックスは分類学上独立していて、ハイラックスの仲間だけでイワダヌキ目イワダヌキ科を形成している。そういう意味では、ゾウに近いといっても、例えばライオンとトラのように同じ科に分類されるほどには近くない。

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ゾウの仲間である証拠の足 左はシマウマの蹄、右がゾウの足。似てる?

それでも、ハイラックスとゾウは共通のご先祖様を持っている。だから、今でも似ている部分があるのだ。そのひとつが足の構造だ。
どちらも「近蹄類」と呼ばれ、その名のごとく蹄に近い足をしている仲間なんだそうだ。
素人目にはどこがどう蹄なのかサッパリ分からない。海の中で生活しているジュゴンなども近蹄類に入るというからますます謎は深まるが、ハイラックスとゾウの足は骨の構造レベルから似ている部分があるというのだ。

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可愛い顔して鋭い歯が。こちらはあくび中の一枚
また、上あごの切歯、つまり前歯が伸び続けるという特徴も共通だ。
ゾウのキバは上の前歯が伸びたもので、ご存知の通り口からはみ出している。ハイラックスはそこまで長くはならないが、なわばり争いや天敵に立ち向かうための武器として、意外に鋭い歯を光らせているのだ。




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