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連載企画

脇役なんて呼ばせない! 第4回
カグー(野毛山動物園)

2015年9月2日

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名称
カグー
生息地
ニューカレドニア
サイズ
体長約60cm、体重約900g
エサ
野生下:昆虫、ミミズ、カタツムリなど
野毛山動物園:コオロギ、ハツ、砂肝、オキアミ、ミミズなど
保全状況
IUCNレッドリスト EN(絶滅危惧)

いかにも鳥らしい姿のくせに、空は飛べない。その代わり、地面を走るのは得意だ。多くの鳥が複数の卵を産むのに、とりあえず年に1羽孵化したらOK。

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意外とイケメンなカグーさん
そんな妙な鳥が野毛山動物園で暮らしている。野生ではニューカレドニアにのみ生息するカグーという鳥だ。
赤い目をした精悍な顔つきや、シャープな印象を与える青灰色の羽毛が美しいが、彼らは知れば知るほどやっぱり妙な鳥だ。

実は、元々カグーの住むニューカレドニアには彼らの天敵がいなかった。
そのため、空へ逃げる必要も、たくさんの卵を産む必要もなかったのだ。冒頭の不思議に思える習性は、そんな平和だったころの名残である。
しかし、西洋から人間が入って来ると状況は一変した。彼らの連れてきたイヌやネコに襲われ、進む開発で住みかを奪われ、数は減少。今では絶滅危惧種に追いやられてしまっている。

そんな典型的な人類の文明の犠牲者で、申し訳なさを抱かせる境遇にある鳥なのだが、「妙だ」という感想もぬぐい去ることができない。

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ちょっとお怒りの様子
例えば、カグーは威嚇や怒りを表すとき、頭に生えた冠羽を逆立て顎を引き、羽をふくらませたり、広げたりしてみせる。それはいいのだが、異性へアピールする求愛のときも同じ動きをするのだ。
言ってみれば逆方向を向いている感情を表すのに同じ行動を取るのは、人間目線だと不思議で仕方がない。ほかの動物と比べてもやはり変わっている。

ただし、彼らの名誉のために言っておくと、求愛のときは威嚇と同じ動きに素敵な歌声がプラスされる。甲高い声で「クワックワッ」と、節を付けたようにオスとメスが鳴き交わすのだ。近くに別のオスがいれば、負けじと歌合戦に加わってきたりもする。



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