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連載企画

脇役なんて呼ばせない! 第2回
セスジキノボリカンガルー(ズーラシア)

2015年8月12日

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名称
セスジキノボリカンガルー
生息地
ニューギニア島の中央から東部の山地
サイズ
体長約60cm、体重約8kg
エサ
野生下:木の葉、果実など
ズーラシア:桑、ビワなどの葉、イモ、ニンジン、バナナ、ペレットなど
保全状況
IUCNレッドリスト EN(絶滅危惧)

例えば、陸上競技に関心のない人でもウサイン・ボルトの名前くらいは聞いたことがあるだろう。世界記録を持っている超有名人だからだ。
では、110mハードルの世界記録保持者、アリエス・メリットは?3000m障害のサイフ・サイード・シャヒーンは?たぶん知らない人が多い。きっとすごい選手で陸上ファンにはおなじみなのかもしれないが、一般的な知名度はあまり。

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こちらが世界最高齢のワリ
ズーラシアで暮らすセスジキノボリカンガルーのワリもそのタイプだ。
飼育下で20年程度という寿命を余裕で上回る25歳。世界最高齢らしく、キノボリカンガルー業界では世界的に有名なおばあさんだ。
でも、一般的には知られていない。だって、セスジキノボリカンガルーがなんだかよく分からないもの。

キノボリカンガルーは、その名の通り木に登るカンガルーだ。森に住み、完全に樹上生活というわけではないが、野生下では木の葉を中心とした食生活を送っている。

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もう1頭のタニ。ワリよりも若い
いわゆる普通のカンガルーと同じ仲間で、共通のご先祖様は森で暮らし、後に開けた土地に進出。そのまま平地で暮らしたのが“キノボラナイ”カンガルーのルーツになり、「やっぱり森だよね」と帰っていったのがキノボリカンガルーのルーツになった。

研究者によっても異なるがキノボリカンガルーの仲間は10種類ほど いて、そのうちの1種がセスジキノボリカンガルーだ。別に背筋がピンと伸びているわけではなく、どちらかというと猫背。背中に筋状の模様が入っていることが名前の由来だ。
彼らは絶滅危惧種で、故郷のニューギニア島では生息地が破壊され数を減らしている。動物園で飼育されているのも全世界で46頭だけで、日本ではこのズーラシアにいるワリばあさんと、8歳のメスのタニのみだ(2015年7月現在)。

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