特集2

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脱走シマウマを捕獲せよ!

2016年2月10日


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今回の話の舞台。普段は安全なスポットだが……
動物園は安全に動物を見られる施設。
恐らく、誰しもがそう思っている。改めて考えてはいなくても、心のどこかにそういう認識があるはずだ。じゃないと、動物園なんておちおち行っていられない。

でも、万が一、動物がフェンスを乗り越えたり、モート(堀)を飛び越えて園路に出てきてしまったら。
それは、来園者にとっても、動物園で働く人たちにとっても、近隣住民にとっても、そして当の動物たちにとっても一大事だ。

各動物園がそういった事態を防ぐために安全面には最大限の配慮を図っているはずだが、それでも不測の事態が起きる可能性はゼロではない。というわけで、多くの動物園で動物の脱出を想定した訓練が行われている。

2月2日、上野動物園で「猛獣脱出対策訓練」が実施された。


脱走シマウマを捕獲せよ!

上野動物園では、同じ都立動物園である多摩動物公園と毎年交互にこの訓練を行っている。昨年は多摩で訓練をしたので、今年は上野という具合だ。また、上野で訓練がある場合は、東園と西園で交互に行うことになっているそうで、今回の舞台は西園。
上野警察署、上野消防署からも職員が派遣され、150人規模での大掛かりな訓練となった。

今回想定された脱出事故は、地震によりシマウマ展示場の柵が壊れ、ハートマンヤマシマウマ1頭が逃げ出してしまったという内容。
来園者を安全な場所に誘導しつつ、園内をうろつくシマウマを捕獲することになる。

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ネット上でちょっとした話題にもなった脱走シマウマ(左)と、本物のシマウマ

まず、動物園の職員たちは要所に陣取り、遮断網を広げてシマウマの行く手を遮っていく。
シマウマが近づけば音を立てたり大声を出して威嚇し、できるだけ動物をせまいエリアに追い込んでいこうとする。

しかし、相手は動物。
まして、来たことのない場所に出てきてしまい、不安を感じているであろう動物だ。
動きを予測し切ることはできず、シマウマは遮断網に向かって突進するように進み、職員と交錯してしまうという二次被害が出てしまった。
もちろんこれも訓練の筋書き通りではあるが、実際にも起きうるケース。そのため、今回はAEDを使った負傷者救護の訓練も含まれていたのだ。

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網を張って被害を食い止めようとする職員たち(左)。しかし、そこにシマウマが突進

さて、職員たちは、再び遮断網でシマウマを追い込んでいく。
最後は西園のモノレール駅付近にシマウマを追い立て、車に乗った獣医師が麻酔銃を発砲。命中後、車内から棒でつついて効き目を確認した上で、ようやく御用となった。

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狙いを定めて麻酔銃を発射。意識を失っているかも、安全のため車内から確認

これで無事に訓練は終了。土居利光園長は「いい訓練ができた」と話すと同時に、「外国からの来園者に向けた誘導などに力を入れていきたい」と今後の課題を挙げた。



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