特集1

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目指せ繁殖! チャメリーのお引っ越し

2016年9月26日


このコンテナの中にいるのは……
 台風16号の影響による悪天候に見舞われた9月20日の横浜。時おりザーッと強い雨が降る中で、ある動物のお引っ越しが行われた。

 ズーラシアで暮らすメスのインドゾウ「チャメリー」が、同じ横浜市内にある金沢動物園へと移動したのだ。
 今回は、移動当日の様子と、彼女にかけられた期待や動物園でのインドゾウの現状についてお届けする。


チャメリー、金沢へ

 雨の降る中、ズーラシアではチャメリーを搬出するための作業が朝からスタート。チャメリーは落ち着いた様子だったそうで、おとなしく輸送箱の中へと進んでいった。

箱の中からおやつを取るチャメリーの鼻(左)と、作業に当たるスタッフ

 引っ越すと言っても同じ市内での移動のため、移動時間もさほど長くはない。例えば金沢動物園から山口県に移動したインドサイ「チャンプ」のときや、北海道からズーラシアにやってきたホッキョクグマ「ツヨシ」のときに比べれば動物への負担も少ないだろう。
 とは言え、なにしろ3トンを超える巨体。作業は慎重に進められていった。

 チャメリーを乗せたトラックは、大きなトラブルもなく金沢動物園にお昼過ぎに到着。
 今度は金沢動物園のスタッフたちが輸送業者とともに作業に当たり、トレーラーから大きな輸送箱がゆっくりと降ろされていった。

クレーンを使って獣舎前に。ゴールはすぐそこだ(左)。その様子を見守った(?)ボンとヨーコ

 その様子を展示場から見ていたのは、金沢で30年以上暮らしてきたインドゾウ、「ボン」と「ヨーコ」。新しい仲間が来たことに気付いたかどうかは分からないが、大きな車や重機には興味津々の様子。パニックを起こしたり、不安そうな仕草は見せず、おやつを食べながら作業を眺めていたようだ。


仲良しのシュリーと離れ離れに

ズーラシア時代のチャメリー(上)
シュリーと寄り添うチャメリー(下の右側)
 今回、ズーラシアから金沢動物園に引っ越した「チャメリー」は、1999年にインドのアッサム州立動物園からやって来たメスのゾウで、一緒に来園したオスの「ラスクマル」、年下のメス「シュリー」と生活を送ってきた。

 ズーラシアでゾウの飼育を担当している藤澤加悦さんによると、「我慢強くものごとに動じない性格で、ズーラシアのゾウの中ではリーダー的な存在」だったそうだ。
 食にこだわる食いしん坊でもあったらしく、スイカをプレゼントしたときには一個を鼻で抱え込み、もうひとつを足で蹴りながら運び、シュリーの分まで取っていってしまったそうだ。

 スイカは一人占めしてしまったチャメリーだが、シュリーに対しては「お姉さん的な存在だった」と藤澤さん。
 シュリーが不安そうにしていると、すぐに近くに寄り添い、鼻で耳や脚を触って安心させてあげるといったシーンも見られたそうだ。

 「チャメリーとシュリーは本当に仲が良かった」と話す藤澤さんは、「1頭だけを搬出するのは心苦しい気持ちもありました」と続ける。
 では、なぜチャメリーを金沢動物園に移動させたのだろうか。



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