特集1

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テングザルの赤ちゃんデビュー&愛称募集!!!

2016年4月13日


つぶらな瞳でカメラを観察中?
 日本ではズーラシアでのみ飼育されているサルの仲間、テングザルの赤ちゃんが、4月16日から週末限定でお披露目されることが決まった。
 テングザルはボルネオ島の固有種で、絶滅危惧種に指定された希少なサルだ。ズーラシアでは、公開に合わせ、展示場前で愛称の投票を行う予定。

 今回は一般公開に先立ち、一足早く可愛い赤ちゃんの姿をご紹介しよう。


激動の中での誕生

 ズーラシアのテングザルをめぐっては、昨年の冬、いろいろなことが立て続けに起きた。
 11月29日、今回公開される赤ちゃんのお父さんである「ジャカ」が腎不全で死亡。それからおよそ1カ月後の12月20日には、ジャカの息子で今回の赤ちゃんの兄に当たる「ニコ」も後を追うように天国へと旅立ってしまった。

 残念なニュースが続き、ジャカのパートナーでありニコの母でもあった「キナンティー」の様子が心配されたが、当のキナンティーはニコが亡くなった2日後の12月22日に赤ちゃんを出産。先にこの世を去ったジャカの忘れ形見だった。

今日はお母さんにギュ
 その子が16日から公開される赤ちゃんで、性別はメス。
 担当飼育員の清野悟さんは、「ジャカとキナンティーの交尾も観察していましたし、妊娠していることは予想していました。ただ、生まれるのはもうちょっと先だと思っていました」と話す。
 これは、ニコを出産したときのキナンティーの体重変化からの予測だったそうだが、赤ちゃんは健康上の問題もなく元気に育っているとのことだった。

 この日は初めての展示場ということもあってお母さんにべったりだったが、獣舎の中ではお母さんから少し離れて遊ぶ姿も見せてくれているそうだ。掃除中の飼育員さんを檻越しに追いかけたりすることもあるそうで、好奇心も旺盛のようだ。



テングザルってどんなサル?

こちらがお母さんのキナンティー
 テングザルはボルネオ島の固有種で、マングローブ林などの水辺の林に住み、主に樹上で生活するサルだ。
 その名の由来は、大人のオスに見られる大きな鼻。あごまで垂れ下がることもあるそうで、まさしく天狗のような長さだ。
 今回の赤ちゃんは女の子なので天狗のようにはならないが、キナンティー母さんを見ても分かるように、メスでも大人になるとピュッと鼻が突き出てくる。



キナンティーは葉っぱをもぐもぐ
 「リーフイーター」と呼ばれるサルの一種で、その名の通り木の葉がメインの食べ物。
 ズーラシアでもエサとなる葉の確保に腐心しているそうで、業者から仕入れるほか、園内に生えている葉っぱなども与えているとのこと。ボルネオ島の葉っぱでないとダメということはないそうで、キナンティーはこの日は桜の葉っぱやマサキ、ヤナギなどを頬張っていた。
 赤ちゃんの方はまだおっぱいに吸い付くこともあるが、フンを調べると大人と同じものを食べている様子もあるそうで、少しずつ大人に近づいていっているようだ。

 当面は母娘2頭での生活が続くが、野生では群れで暮らす動物なので、ズーラシアでも将来的にはオスの「ゲンキ」、メスの「アプル」というほかの個体との共同生活を視野に入れている。2頭の子どもを作ったジャカに変わり、ゲンキを父親に次の繁殖にも取り組みたい考えだ。


注目ポイントはココ!

 清野さんは「テングザルの赤ちゃんは顔が青っぽい色をしています」と話し、「だんだんと大人と同じ色になるので、何度か見に来てもらって前回との比較をすると面白いと思います」と続ける。

 ほかにも、キナンティーの育児っぷりや母娘のやり取りなど、見どころはたくさんある。
 亡くなったニコはお父さんジャカのしっぽにぶら下がって遊ぶことがあったが、赤ちゃんもキナンティーのしっぽにちょっかいを出すことがあるそうだ。長いしっぽはテングザルの特徴のひとつ。もしかしたら、お母さんの長いしっぽにぶら下がる可愛らしいシーンも見られるかもしれない。

お母さんとは顔の色が違うのが赤ちゃんの特徴

 また、ボルネオ島ではテングザルの生息数が減少していて、「近い将来における野生での絶滅の危険性が高い」絶滅危惧種にも指定されている。減少の原因は、開発などで生息場所が破壊されていることだと言われている。
 清野さんは「日本ではここでしか見られないので、ぜひ見に来てほしい。テングザルに興味を持ってもらえたら、現地の森が破壊されているということにも目を向けてもらいたい」と話してくれた。


お名前募集中

気になるモノ、あった?
 ズーラシアでの公開は、4月16日以降の土日の14時から16時半までとなる予定。動物の体調などによっては変更や中止になる場合もあるので悪しからず。
 また、16日から24日まで、展示場前で愛称の投票も行われる。「ロティ」、「ファレ」、「エミ」の3つの候補から好きなものに投票する形で行われ、最多得票の名前が赤ちゃんに付けられることになる。

 なにしろ日本ではズーラシアでしか見られない希少なサル、テングザル。
 その赤ちゃんとなれば、目にすることができるチャンスはごく限られている。この機会を逃さず、赤ちゃんや育児に奮闘中のキナンティーたちに会いに行ってみよう。