特集1

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野毛山の新たなアイドル!? 「アサヒ」デビュー!!!

2016年4月6日


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野毛山65周年の主役は「アサヒ」!
 1951年4月1日、「野毛山遊園地」として産声を上げた、現在の「野毛山動物園」。小さいながらも、都市部からのアクセスの良さや、動物が間近に見られる、入園無料などの「野毛山らしさ」は人気を集め続け、昨年度も100万人を超える入場者数を記録した。

 開園からの歴史は、今年で数えること65年。それを記念して、4月2日に同園で記念式典が執り行われた。そして、それに合わせて新たに野毛山動物園に仲間入りした動物、オスのミナミコアリクイ「アサヒ」もお客さんの前にデビューを果たした。


だっこで登場!!!

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飼育員さんにだっこされてアサヒ登場
 この日のメインイベント、野毛山動物園の新たな仲間、「アサヒ」のお披露目とあって、展示場前には人垣が。

 展示場所は、かつて世界最高齢のフタコブラクダとして市民はもとより、遠方からもファンが駆け付けるほどの人気を誇った「ツガル」さんが暮らした場所。
 ツガルさんの死後、彼女の写真や思い出の品などを展示していたが、アサヒを迎えるに当たって全面リフォーム。きれいに工事された真新しい展示場が、アサヒの居場所だ。

 間もなく2歳の誕生日を迎えるアサヒは、上野動物園で生まれたオス。誕生時は通常の赤ちゃんの半分ほどの体重しかなく、その上母親が育児に積極的でなかったため飼育員さんに育てられた。大変だった幼少期を乗り越えたアサヒは、サンシャイン水族館を経て、3月14日に野毛山動物園へと引っ越してきた。

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可愛らしい顔してこんなツメ(上)
 ミナミコアリクイは中南米の森林や草原に住む動物で、その名の通りアリなどの昆虫を食べて暮らしている。果物なども食べるが、アリ塚を壊すための前肢の大きな鉤爪や、アリを絡め取る長い舌など、“ アリクイ ” の名にふさわしい特徴を備えている。
 見た目の可愛らしさは、言葉で説明するのも馬鹿らしくなるほどで、クリーム色を基調にした体に黒いチョッキを着たような模様もキュートだ。
 現在、ミナミコアリクイの飼育は、横浜の3動物園ではアサヒのみ。野毛山動物園では37年前まで飼育していたそうだが、当時のことを知る職員は残っていないそうだから、感覚的には初めてに近い。

 アサヒがこの展示場に出るのは、練習などを含めてこの日が5回目くらいだそうだ。最初は多少の戸惑いを見せたものの、だいぶ慣れてきた様子。
 サンシャイン水族館では他の動物と一緒に展示されていたそうだが、野毛山では彼ひとり。ちょっぴり退屈なのか、寝ている時間が多くなっているとのこと。ただ、健康状態には問題はなく、新しい環境に慣れれば生活のペースも変わっていくかもしれない。




野毛山では “ アリクワズ ” !?

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なんか可愛いポーズ(上)と長~い舌(下)
 ミナミコアリクイと言えば、後ろ脚で立ちあがって通せんぼをするようなポーズで威嚇する姿がちょっと有名。本人は相手を驚かせようとしているわけだが、人間の目にはどうにも可愛らしく写ってしまう。
 アサヒの飼育を担当する山口進也さんは、「ぼくも威嚇ポーズはまだ見ていないです」と笑う。「機嫌の悪いときなどに、もしかしたら見られるかもしれない」と話すが、まぁ、アサヒにとっては威嚇する必要がない方がいいのかも。

 また、40cmもあるという長い舌も見どころだ。
 正直、ビローンと伸びた舌を出した姿を可愛いと思えるかどうかは大分に個人差があるところではあるが、食事中にチラっと見せてくれたり、あくびの際に舌が伸びるそうなので、こちらの方が目にするチャンスは多そうだ。




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ガイドではお食事シーンも披露してくれた
 このアサヒ、“ アリクイ ” ではあるが、アリは彼の食卓には並ばない予定。
 現在は、ヨーグルトとキャットフード(ペレット)、イヌ用の缶詰を混ぜたものや果物を食べている。上野動物園時代には冷凍アリを与えられたこともあるそうだが、いまいち好みではなかったようで、野毛山動物園でも今のところは昆虫を与える予定はないそうだ。

 このように、ミナミコアリクイのエサは動物園によってまちまちだったりもする。実は、ミナミコアリクイは飼育の難しい種で、内臓の病気などで死んでしまうケースも少なくないそうだ。
 そこを乗り越えるべく、山口さんたち飼育員たちも努力を重ねる。チャンスがあればいずれはお嫁さんも迎えたいとのことで、獣舎には空き部屋がひとつ用意されているそうだ。


GWがアサヒに会うチャンス!

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問答無用に可愛いので、ぜひ会いに!
 動物園界のレジェンド的存在だったツガルさんが暮らした場所に引っ越したアサヒ。
 実は、担当の山口さんはツガルさんにとって最後の担当飼育員でもあった。山口さんは「展示場の改修工事中もお天気に恵まれて順調だった。ツガルさんがそうしてくれたのかな」と笑い、「アサヒにもツガルさんくらいの人気者になってもらいたい」と期待を込めた。

 とにかく可愛いので、放っておいても人気者になりそうなアサヒ。山口さんも「見てもらえれば分かると思います」と話す。
 寒さが苦手なため、しばらくは室内での展示が続きそうだが、「20度以上の気温が適しているので、ゴールデンウィークごろは屋外にいる姿を見てもらえると思います」と山口さん。夏の暑さにも弱いそうなので、この春、もう少し暖かくなったらお天気と相談しながら、野毛山の新しいアイドルに会いに行くのがいいだろう。